1811952 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

日々徒然に

日々徒然に

沖縄旅行記 第3日目

 朝食を済ませて、上着のポケットを見るとカメラがない。ズボンのポケットに入れたのだろうかと思って探してみたが無い。一応、荷物を引っ繰り返して探したが無い。

 思い当たるのは、昨夜のビーチでグラッと来たときだけだ。急いでビーチに出てみたが、昨夜とは風景がすっかり変わっていた。ビーチチェアーが並べられ、浜辺をサンドバギーが熊手のようなものを付けて走り回っていた。

 一応フロントに、カメラのメーカーと機種名を届けておいたが、昨日のあの時間は潮が引いていた。恐らく、見つかっても海水を被っていることだろう。私は諦めることにした。最近は、自分でも驚くほど諦めが早い。只、データを小分けにしておくべきっだったと反省している。

 9時頃にホテルを出発して暫く走り、首里城公園に到着。守礼門の前で記念撮影となる。そこには、琉球の民族衣装に身を包んだ女性が何人かいた。

 前回来たとき、城内は工事中で、守礼門での記念撮影だけで終わっていたが、今回は中まで見学できた。中国様式のようでもあり、違うところもありで、やはり琉球文化独特というものだろう。

 建物の中には、随所に琉球の王宮の礼服姿で、頭に楕円形の(丁度お弁当箱の様な)ものを載せた男性がいて、見学者の手助けをしていた。日本の烏帽子のようなものだ。ただ、紐を耳の後を通して顎で結ぶところに特徴がある。

 私は城内の建物よりも、石垣に目が行った。建物は後に建て直したものだろうが、石垣は昔のものだろう。日本の城の石垣とは違い、積まれている石の1個、1個が隙間無く、しかも表面がなめらかに加工されている。

 さらに日本の城の石垣との最も大きな違いは、コーナーが直角ではなく丸みを持たせてあるのだ。かなりの高さがある石垣の角を同じように丸く作って、積み上げるなんて凄い技術だ。

 ムー大陸が太平洋上にあり、その西の果てが琉球の辺りだったのではないかという仮説は、本当かも知れないと思った。ムー大陸のもう一方の果てから南アメリカ大陸方面に移った人々が、マヤ、インカ、アステカ文明を起こしたのかも知れない。それらの石垣も間にカミソリの刃も入らないほどの加工技術だということだ。

 やはりこう言うところは、自分の目で確かめなければならないと思った。私の想像は、紀元前の沖縄にまで広がっていった。


 首里城公園から出て、那覇市内に入り昼食を取る。私は、そこで親戚や近所へのお土産を買って自宅に送っておいた。

 空港に着いて出発を待つが、帰りの飛行機の到着が遅れていた。30分近く遅れて、やっと出発となった。飛行機に乗り込むが、40-Bなのでかなり後ろだ。このB777は、あのジャンボ機B747よりも主翼の長さや胴体の長さで勝る飛行機なのだ。やっと席に着くと、左側の窓の前方に主翼が見える。

 私はこの場所が好きだ。主翼は様々な情報で溢れている。フラップの出し入れやフライング・スポイラーの動きを見ていると、操縦席の様子まで頭に浮かんでくるようだ。

 滑走路に向かって誘導路を走るとき、窓から海上自衛隊の対潜哨戒機「P3Cオライオン」が、2機ずつ並んでいるのが見える。全部で10機ぐらいいたのではないだろうか。沖縄はアメリカ軍だけでなく、自衛隊にとっても南の最前線なのだということを、改めて実感した思いだった。

 我々を乗せたANA486便は、定刻より約30分遅れで那覇空港を飛び立ち、一路、福岡空港に向かった。

 午後5時前に福岡空港に到着する。帰りは、観光バスで徳山駅まで帰る。こうして沖縄旅行は終わった。

沖縄のお土産



 前回来たときは、3日間雨に祟られた。その時は、ずっと戦跡を巡った。今回は、戦跡には行かずに、南国沖縄を楽しんだ。お天気も3日間、暑いぐらいの晴天が続いた。

 前回来た10数年前と、全然変わっていなかったのがアメリカ軍基地の存在だ。我々観光客は、道の駅「かでな」から米軍機を物珍しく見ているけれど、沖縄の人達にとっては、1年中365日が騒音と墜落の危険との隣り合わせなのだ。

 このことは山口県の岩国基地とて同じ事である。政府は自治体に対して、助成金と引き替えに基地の拡充強化を認めさせている。

 現在の世界情勢も考えなければならないが、日本政府は沖縄が日本に返還された後、何も具体的な手を打ってこなかった。徒に沖縄だけに犠牲を強いてきたような気がする。

 我々は、沖縄の人達の笑顔の裏に隠された悲しみを知らなければならない。沖縄を只の観光地と考えてはいけない。元は独立国だったのだ。それが薩摩藩、明治になってからは日本政府の支配を受けるようになった。そして、第2次世界大戦後は、アメリカも加わって二重支配の構造が出来上がった。

 我々本土の人間は、沖縄を真に日本の一部だと思うなら、もっと真剣に基地の問題に取り組まなければならないと思う。


© Rakuten Group, Inc.